Kuramasu Tessyuu OFFICIAL WEBSITE
清流劇場2019年7月公演
『Alcestis −a strange episode アルケスティス異聞』
原作:エウリピデス 原作翻訳・作・ドラマトゥルク:丹下和彦 構成・演出:田中孝弥
2019年7月11日~14日 @一心寺シアター倶楽


清流劇場2019年7月公演『Alcestis −a strange episode アルケスティス異聞』
芸術文化振興基金助成事業
三日間ずっと考えていたのです、助かった命をどう使おうかと。
思いがけなく授かった二度目の人生をどう生きようかと。
あなたはきっと気にするの。
私があなたの身代わりに死んだことが重荷になるの。
原作:エウリピデス
原作翻訳・作・ドラマトゥルク:丹下和彦
構成・演出:田中孝弥
出演:
髙口真吾 泉希衣子 倉増哲州(南森町グラスホッパーズ) 服部桃子 日永貴子
永津真奈(Aripe) 立花裕介 萬谷真之 上海太郎(上海太郎カンパニー)
音楽・演奏:
仙波宏文
スタッフ:
舞台監督:K-Fluss 舞台美術:内山勉 舞台美術アシスタント:新井真紀
照明:岩村原太 照明アシスタント:塩見結莉耶 照明オペ:木内ひとみ
音響:廣瀬義昭(㈲ティーアンドクルー) 音響オペ:奥村威
衣装:田中秀彦(iroNic ediHt DESIGN ORCHESTRA) 衣装アシスタント:加藤沙知
ヘアメイク:歯朶原諭子(High Shock) ヘアメイクアシスタント:島田裕子
小道具:濱口美也子 振付:東出ますよ 写真:古都栄二(㈲テス・大阪) ビデオ:㈱WAVIC
web・制作協力:飯村登史佳 宣伝美術:黒田武志(sandscape)
特別協力:森和雄
演出助手:大野亜希
協力:㈲ウォーターマインド・イズム・㈱MC企画・㈱舞夢プロ・10ANTS・バンタンデザイン研究所大阪校
柏木貴久子・堀内立誉・佐々木治己・川口典成・嶋田邦雄・山下智子・森岡慶介・居原田晃司
提携:一心寺シアター倶楽
制作:永朋
企画:清流劇場
会場:
一心寺シアター倶楽
〒543-0062 大阪市天王寺区逢阪2-6-13 B1F
tel:06-6774-4002
http://isshinji.net/kura/index.html
*各線「天王寺駅」、Osaka Metro谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」、堺筋線「恵美須町駅」より、徒歩約10分。
*お客様用駐車場はございません。お車でお越しの場合は近くのコインパーキングをご利用ください。
公演日程:
2019年
7月11日(木)14時(青組)・19時(白組)
7月12日(金) 19時(青組)
7月13日(土)14時(白組)・19時(青組)
7月14日(日) 14時(白組)(終演後、アフタートークがあります)→出演者はwebで公表します。
※各回、開演10分前より田中孝弥によります《ビフォアトーク》を行います。
※全公演に全員出演しますが、配役が各回により異なります。
青組公演はアルケスティス役を泉希衣子・ヘラクレス役を立花裕介が演じます。
白組公演はアルケスティス役を永津真奈・ヘラクレス役を倉増哲州が演じます。
※荒天・自然災害が生じた場合は、劇団ウェブサイトにて随時開催状況に関する情報をお知らせします。
入場料金:日時指定・自由席(ギリシアにちなんだプレゼント付き)
(公演サポーター様の優先入場。その後、整理券番号順でのご入場となります。)
一般前売券4,300円 当日券4,600円
ペアチケット8,000円
U-22券2,500円(22歳以下の方を対象。要・証明書提示)
シニア券4,000円(65歳以上の方を対象。要・証明書提示 )
*ペアチケット・U-22券・シニア券は、前売発売のみとなります。
*開演1時間前より整理券を発行、開場は開演の30分前です。
*小学生以下のお客様はご入場になれません。
*作品上演中のご入場は制限させていただく場合がございます。
*会場内での飲食喫煙・写真撮影は禁止です。
★当日券のお客様は、開演10分前からのご入場となります。
★当日精算券のお客様は、あらかじめお名前とご来場日時・人数・券種(一般・ペア・U-22・シニア)を倉増宛(tessyuu.k@gmail.com)にお知らせください。
ご連絡がない場合・日時指定をされない場合は、開演10分前からのご入場、料金は一般前売料金のみのお取り扱いとなります。
チケット取扱い:
http://ticket.corich.jp/apply/99661/007/
(倉増専用)
作家紹介:
エウリピデス(Euripides 紀元前480年(『エウリピデス伝』『スーダ辞典』による)〜紀元前406年)
ギリシア三大悲劇詩人の一人。
父親ムネサルコスと母親クレイトの間に生まれる。
父親は貧しい行商人。母親は市場の野菜売り。アテナイ市もしくはその近くのサラミス島で生まれたとされる。
はじめは格闘技の選手を目指すが、のちに精神的世界へ関心を示し、プロタゴラスに修辞学を、ソクラテスに倫理学と哲学を学ぶ。
アナクサゴラスへも師事するが、彼の学説が「太陽神アポロンへの不敬」とされ、政治的迫害を受けたのを機に、悲劇作家に転身する。
その作風は革新的であり、伝統的な悲劇の世界へ知性と日常性を導入した。
作品様式面では「機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)」という劇作技法を多用したことが特徴的である。
紀元前408年、マケドニア王アルケラオスに招かれ、都(ペラ)へ赴く。紀元前406年、マケドニアで客死。
劇壇のライバル・ソポクレスは訃報に接し、丁度競演会の予備行事の場にいたが、喪服に着替えて弔意を表したという。
その容貌については「そばかす、濃いあごひげ」との短評あり。作品は三大悲劇詩人の中で最も多い19編が残存している。
主な作品:『メデイア』『ヒッポリュトス』『エレクトラ』『タウロイ人の地のイピゲネイア』『ヘレネ』『オレステス』『バッコス教の信女たち』等
あらすじ
古代ギリシアの小王国ペライを治める王アドメトスは突然、「死」の運命に襲われます。ただし、「誰か身代わりになってくれる者を見つければ、その死を免れることが出来る」という条件が付きます。アドメトスは懸命になって身代わりを探しますが、年老いた両親をはじめ誰一人として身代わりを引き受けてくれる者はいません。最後に妻のアルケスティスが身代わりを申し出てくれて、やっとアドメトスは命拾いをします。
アルケスティスが、死に神に導かれて冥界に下る当日。皆が彼女を惜しみつつ、悲嘆に暮れているところへ、アドメトスの友人ヘラクレスが訪ねてきます。トラキア王が所有する人食いの暴れ馬を奪いに行く途中、アドメトス邸へ寄ったのです。ヘラクレスはアドメトスの異変に気づき、「誰が亡くなったのか?」と尋ねますが、情が深く義に篤いアドメトスは「他家の者だから気にするな」と、妻の死を隠してヘラクレスを歓待します。ヘラクレスは事情を知らないまま接待を受け、心地よく酩酊してしまいます。
アドメトスの父親ペレスはアルケスティスの葬儀に参列しますが、親子の間で「身代わりの死」を巡って口論が起きます。アドメトスは「何故、老い先短い父親が身代わりになってくれなかったのだ。臆病者。もう、あなたのことは親とは思わない」と怒りを向けます。父ペレスは「息子の身代わりに親が死ぬ義理もないし、そのような掟もない。お前こそ、妻を身代わりにした臆病者だ」と罵ります。
酩酊したヘラクレスは召使いから「実は亡くなったのは、妃のアルケスティスだ」と知らされます。事情を知ったヘラクレスは喪中を隠してまで歓待してくれたアドメトスの心意気に感じ入り、アルケスティスを冥界から取り戻すべく死に神と格闘し、見事彼女をこの世へ連れ帰ります。甦ったアルケスティスでしたが、この後、三日目の朝が来て、冥界に捧げられた身の清めが済むまでは口が利けません。アドメトスは妻アルケスティスの三日後の完全な「甦り」を待って祝宴を催すことにします。
……と、エウリピデスが書いた『アルケスティス』はここで幕を閉じますが、本作品はこれを受け継ぎながらさらに話を続けます。
三日目の朝、夫や子供に内緒で館を出て行こうとするアルケスティス。生き返った妻を祝う宴会を催すつもりのアドメトス。ところが、二人の間に論争が起きてしまいます。もう一度生きる機会を得たアルケスティスと、これまで通りの「受動的な生」を過ごそうとする夫アドメトス。三日目に口を開いたアルケスティスは夫へ何を語りかけるのでしょうか。
古代ギリシア文学者・丹下和彦による補綴『アルケスティス異聞』。是非、ご覧ください。
清流劇場代表田中孝弥コメント
私たちは突然、「死」を宣告されたらどうするでしょうか? ただし、「身代わりを差し出せば死なずに済む」と、なればどうするでしょうか?
ギリシア劇『アルケスティス』の中で、「死」を宣告されたアドメトス王はあちこち色んな人に頼んで回りますが、身代わりを得られません。両親にも頼みますが拒否されてしまいます。最後に妻のアルケスティスが身代わりを承知してくれて、やっと命拾いします。これは何も古い伝承の世界だけの話ではありません。現代の私たちの身の周りにある話です。生死をめぐる人間の精神と行動の有り様は時と場所を選びません。しばしば悲劇的にして喜劇的な様相を呈しつつ、人の世の哀しさ、人の身の悲しさを見せつけます。
原作『アルケスティス』(エウリピデス作)は、サテュロス劇の代用として書かれたとされ、大詰めは「妻アルケスティスの甦(よみがえ)り」を寿ぐ合唱隊の歌で終えています。しかし、本当に「妻が生き返ったこと」は喜ばしいことなのでしょうか?
また、アルケスティスを沈黙させたまま終わる原作の結末は、「俳優を三人しか使えなかったギリシア劇(サテュロス劇は二人)上演の規則から、俳優不足のために <黙(だんま)り>を使わざるを得なかった苦肉の策」というのはあくまで表向きの理由ではないかと、考えます。実のところは、「三日後の妻アルケスティスの行動を想像してみてはどうか?」という、作者エウリピデスの巧妙にして老獪な思惑があったのではないでしょうか。
本作品はその意を汲んで、この原作『アルケスティス』に描かれた人間の生死をめぐる家庭の悲喜劇に、「新しく生きること」を目覚めた妻アルケスティスを描き加え、新たな一篇としたものです。
『アルケスティス異聞』、ご期待ください。